ヨーロッパの影響を受けたコロニアル風な街並みがエキゾチックな古都マラッカは、独特な魅力を放っています。色鮮やかなトライショー(サイドカー付き自転車)や地元産フルーツの甘い香りが、訪れる人々を温かく迎えてくれます。
マラッカ川にまたがるように広がるこの街は、マラッカ海峡に恩恵を受け東南アジアの貿易拠点として大きく栄えました。現在では市街地全域がユネスコ世界遺産として登録されています。街自体はコンパクトで、観光ポイントはいずれも徒歩圏内です。あちこちで目にするポルトガル、オランダ、イギリス植民地時代の影響を受けた建築物に思いを馳せながら、のんびりとお散歩はいかがでしょう。活気あふれるチャイナタウンには、寺院やモスク、教会が点在しています。カラフルなストリートアートを眺めながら川沿いを歩くのもいいかもしれません。
ピンク色のマラッカ・キリスト教会は、トライショーや屋台で賑わうオランダ広場にあります。直近のスタダイスは、オランダ統治時代の旧総督邸で、現在は歴史博物館になっています。チャイナタウンを東西に貫くのは、ジョンカー・ストリートです。夜になるとお食事の屋台や小さなブティック、スタイリッシュなカフェ、アンティークショップなどで大いに賑わいます。丘の麓に立つのはサンチャゴ砦(ファモサ要塞跡)です。ポルトガルによって築かれたこの砦は、後にオランダやイギリスも利用しました。
● マラッカ川のナイトクルーズで植民地時代のロマンに浸りましょう。
● ジョンカー・ストリートのナイトマーケットは、週末に開催されます。
● カンポン・モルテンにあるヴィラ・セントーサ(マレー民族博物館)は旅行者に公開されている一般住宅で、地元の人々の伝統的な暮らしぶりに触れることができます。
辛い物、甘い物、酸っぱい物、香り高い物…マラッカの料理はとにかく風味豊かです。郷土料理は中華系とマレー系の影響が色濃く、マレーサテの隣で豚肉の中華炒めがジュージューと音を立てていたり、冷たくて甘いココナッツデザートと独特な強い香りを放つドリアンが一緒に並べられていたりするのも、マラッカならではです。そしてこの街の食のシーンは、太陽が沈むと同時に盛り上がりを見せはじめます。
最も有名なのは、ジョンカー・ストリートのナイトマーケットです。昼間はおしゃれなカフェで賑わいますが、夜になると歩行者天国となり、ピリ辛麺や、インドネシア風焼肉、トロピカルドリンクなどを売る屋台が所狭しと軒を連ねます。ジョンカー・ストリートから外れた裏道やマラッカ川沿いにもレストランが並んでいて、「アッサムぺダス」と呼ばれる酸っぱくて辛いスープカレーや、串刺しの「サテ」などが味わえます。川の東岸では、マレー料理と中華料理が融合しながら発展した名物、ニョニャ料理を試してみてはいかがでしょう。
● チキンライスボール - もっちりとしたライスボールと蒸し鶏をチリソースにつけて食べる郷土料理です。
● センドル - かき氷に緑のゼリーとココナッツミルク、さとうきび糖がのっているデザートです。
● ニョニャ・ラクサ - ココナッツミルクの効いた、カレースープの麺料理です。エビや鶏肉が入っています。
マラッカには、おしゃれで現代的な冷房完備のショッピングモールもあれば、昔ながらの個人商店もあります。暑さしのぎにショッピングモールへ入るのもいいですし、コロニアル様式の建物で営業している小さな店を覗いてまわるのも一興です。
チャイナタウンにあるジョンカー・ストリートには、洗練されたブティックや地元工芸品店、骨董品店が並び、地元アーティストの絵画なども購入できます。安価な土産物店から高級専門店まで何でも揃っているので、欲しい品がきっと見つかるでしょう。夜になるとランタンに灯がともって道を照らし、地元の人々が散歩がてらにやって来ます。また、サンチャゴ砦の近くにあるバンダル・ヒリルのダタラン・パワラン・マラッカ・メガモールは、家族で遊べる大型ショッピングセンターです。地元ファッションの店や海外ブランドの店が入っており、エンターテイメント施設も充実しています。
● ニョニャクバヤ: 地元の女性が着る伝統的な前開きのブラウスです。マレーシア、中国、西洋文化を反映した手作業の美しい刺繍が特徴です。
● アンティーク: おじいさんの古時計から陶器まで、掘り出し物が見つかるかもしれません。
マラッカの夜は活気にあふれています。マラッカ川周辺の通りにはカフェや洒落たクラブ、屋外レストランなどが建ち並び、多くの人で賑わいます。バーでのんびりビールを飲むのもよし、映画館でインド映画を観るのもよし、夜通し踊るのもよし、この街ではバラエティ豊かなナイトライフが楽しめます。
繁華街の中心は、ジョンカー・ストリートがあるチャイナタウンです。屋台はもちろん、おしゃれなバーや個性的なレストラン、生演奏が聴けるシックなカフェ、人気のナイトクラブなどは、このあたりに集まっています。通りにはストリートパフォーマーが登場することもあります。映画を観るなら、サンチャゴ砦近くのダタラン・パワラン・マラッカ・メガモール内の映画館がおすすめです。ハリウッド映画だけでなく、インド映画も上映しています。また海に面したポルトガル広場周辺にも屋外カフェやレストランが軒を連ね、広場ではよく生演奏が行われています。
● オランウータン・ハウスには、マレーシアを代表する画家、チャールズ・チャム氏による色彩豊かな作品が並んでいます。見学だけでなく購入もできます。
● 街の中心部にあるマラッカ・アート・ギャラリーでは、地元アーティストの作品を多数展示しています。
マラッカは遺跡と歴史の宝庫です。寺院やモスク、神殿や博物館が街の至るところに建っていて、この街の多様な文化を教えてくれます。何気なく入ってみた裏道にも、ヒンドゥー教の神殿や中国寺院があるかもしれません。この街では思いがけない出会いが待っています。
中国仏教寺院のチェンフーテン(青雲亭)には素晴らしい装飾が施された礼拝空間があり、地元信者とともに祈りを捧げたりお香をお供えしたりできます。ジャラン・ベンダハラにあるセント・ピーター教会は、ポルトガル人が建てた現在にも残るカトリック教会としてはマレーシア最古です。ババ・ニョニャ民族博物館では、マレーシア生まれの中国人による芸術品を鑑賞できます。
● スリ・ポヤタ・ヴィナヤガ・ムーティ: マレーシア最古のヒンドゥー寺院です。
● セント・ポール教会: サンチャゴ砦(ファモサ要塞跡)の裏の丘に建つ教会です。