1.36 mi (2.19km) from City Center
台北観光―シティガイド
台北のことは、台湾の作家に「成熟した風景」と書かれてあります。台北101は雲を突き抜けた天空までも生長し、忠孝東路沿いでは華麗なデパートが咲き誇り、縦横に交錯する道路上では車の流れが絶えず呼吸する…生命力が旺盛に繁茂しているかのような光景です。大小の路地に足を踏み入れると、テレビや映画の名場面で描かれた台北がよみがえります。『藍色夏恋』の師大付属中学生が自転車に乗って叫ぶシーン、『コ(牛へんに「古」)嶺街少年殺人事件)』で描かれた青春の美しさと流された血、『モンガに散る』の剥皮寮老街に見られた狭義心あふれる少年の生と死……現代の「剛」と伝統の「柔」、最新の流行と昔を懐かしむ心、激情の「動」と匠が持つ「静」、台北では相反する要素が互いに調和しながら共生し、輝きを放っています。
淡水河畔の多面的な台北
台北は市街を流れる淡水河と基隆河沿いに魅力的な景観が多く、復興南路を境に「東新西旧」の二区域に分かれます。台北101と京華城が互いに輝き合う新興地区は流行と現代化の代名詞であり、一方西側は市井の雰囲気と歴史感が多分に残っているところです。万華区の西門紅楼や剥皮寮老街には台北の歴史と文化が受け継がれており、中正区の中正紀念堂や総統府では往年の面影を垣間見ることができます。
北部には北投温泉、陽明山七星公園があり,南部には猫空茶園、台北動物園があります。外側には市街地を囲むように丘陵地帯があり、大都市を一望できると同時に田園風景や自然に触れることができます。
台北で見逃がせないスポット
台北101は、年越し花火を見るスポット世界トップ10としてCNNでも絶賛されており、灯火やネオンは天に届くかのように明るく輝いています。展望台に上り、繁栄した大都市の煌めく夜景をあまねく眺めてみましょう。一度は体験しておきたい外せないスポットです。
台湾夜市のナンバーワンである士林夜市は、すでに世界的なグルメの聖地となっています。夜の帳が下りると数百におよぶ屋台が陽明劇院を中心としたエリアに店を広げ、道路や路地に沿ってびっしりと営業を開始します。食べ物の湯気が明かりに照らされて、庶民街を覆いつくす光景には、思わずつばを飲み込んでしまいます。「顔よりも大きい」豪大大フライチキン、ドラマなどでおなじみの大頭龍オアチェン(カキオムレツ)、有名人もすすめる福榕記のライスホットドッグなど、歩けば口に台北の味が飛び込み、徐々に台北の虜となっていきます。
黄色い壁、青い瓦、彫刻や色つきの絵が施された棟瓦や欄干が特徴的な台北故宮博物院は、青々とした山麓に威風堂々と存在しています。蔵品数は70万件にも及び、展示品は三カ月に一度交換されます。中国の文化と芸術の宝庫と讃えられています。鎮宮三宝として広く知られている翡翠白菜、毛公鼎、肉形石は特に人気で、国内外から訪れる観光客が絶えません。
おすすめスポット
隠された桃源郷を探検するのも台北を訪れるにいい選択でしょう。北部陽明山にある七星公園の階段を上りつめると、遠くに山の峰を眺め、淡水や基隆河の流れが海に注ぐのを一望できます。あるいは、透明の水晶ゴンドラに乗って猫空茶園に行ってみましょう。うっそうとした濃い緑の中に香り高いお茶の香りが漂い、田園や山野の風景を眺めながらゆったりとした時を過ごせます。
アジア最大の動物園である台北動物園には猫空ロープウェイが接続しています。動物の原生環境が入念に再現されており、動物と観光客間は独立しつつも親密な距離が保たれています。海を越えてやって来た国宝のパンダ、「団団」と「圓圓」の姿も見ることができます。
かねてより「台湾第一学府」と呼ばれる台湾大学は、赤レンガと白壁のバロック様式のたたずまいで、ヤシの木に囲まれたメインロードが観光客をキャンパス内に誘っています。よく整えられている水や緑など自然の風景と、純粋で厳粛な学問の息吹は、あこがれの的です。
動と静を選べる宿泊体験
創意に富む旅館やバックパッカーホステルのクラスターである西門町では、以前と変わらない台北の雰囲気が味わえます。独創的なデザインの居住空間や、人好きで素朴な庶民感覚に引き寄せられる若者らはここに滞在します。周辺には華西街夜市、西門町映画館街、紅楼市集などがあり、グルメ、ショッピングやレジャーにワンストップ式の滞在を経験できます。
新興の東部地区には忠孝・信義の二大商業地区があり、グルメレストランや最高級のホテルが軒を連ねています。現代的な都会生活を経験すれば、ここでの滞在がおすすめです。自然に触れながら余暇を楽しむのであれば、南部の文山区にあるホテル、ホリデーイン イースト台北(Holiday Inn East Taipei)がいいでしょう。猫空へ登ってお茶を飲むのに便利だし、台北動物園にも近いです。
台北駅は捷運(地下鉄)、台湾鉄路、高速鉄道の駅が集まったターミナル駅です。台北の街歩きや南部へのアクセスにとても便利です。周辺はレストランや夜市の場所が多く、特色ある民宿から星付き高級ホテルまでがそろっています。このため、台北で最も人気がある宿泊地です。
台北で世界のショッピングを楽しむ
国際的なショッピング体験がしたければ、洗練された品物がメインの大型ショッピング ランドマークである台北101と京華城がおすすめです。101ビルの中にある名人大道にはブランド品の旗艦店が数多くあり、流行の最先端に身を置けば気分はまるでマンハッタンの5番街にいるようです。京華城は15階層が五つのテーマに分かれ、それぞれのショッピング風景を作り出しています。1000店舗近いお店が出店しているモールは広々としたスタイリッシュ感あふれる空間で、宇宙に浮かぶ星の峡谷にいるような感覚です。
西門町は日本の原宿を彷彿させる街で、通り沿いにはユニークな東洋風のお店が並んでいます。日本で同時に流行している書籍や音楽、また、デザイナーや芸能人ブランドもたくさんあります。視覚的な今どきの言葉で台北の街を表現する若者気質に満ち、台湾流行文化の代名詞となっています。
台湾のミュージシャンに歌われている忠孝東路には、台北の半数以上の百貨店が居を構えています。歌の世界をなぞるようにここを九回歩き回れば、最新の各種流行品を見つけることができるでしょう。市街地西部にある重慶南路に行って、有名な書店街を歩いてみるのもおすすめです。三民書局、金石堂などの老舗書店が立ち並び、百年にわたる台北の読書の記憶がここで支えられています。
食は台北にあり、朝まで食べつくす
街に灯りがともり始めると、鍋に油がなみなみとあふれるように、台北の各夜市は騒がしい人々の声ににぎわって行きます。北夜市の発祥地である寧夏夜市では、伝統的な小喫がメインで、老舗や古参の屋台では皆食いしん坊のお客さんが絶えません。口の中で溶けていく煮込みそぼろ飯、さっぱりして甘く彩りも美しい大腸カキソーメン、滋養や美顔によいレバースープなど、いずれも地元の人が大好きな本場の台湾料理です。
師大夜市は台北師範大学の隣に位置し、路地裏の隠れた場所に情緒豊かなカフェや食堂があり、独特なブルジョワ気質が漂っています。映画『台北の朝、僕は恋をする』のロケもここで行われました。浦城街13巷にはアメリカ、日本、韓国、インドなどの異国レストランが集めて、「異国料理街」と呼ばれています。
きめ細やかな鼎泰豊のこしあんショーロンポー、柔らかくてもちもちでしつこくない富覇王豚足、さらに濃厚な味のスープに歯ごたえがある麺の永康牛肉麺など、台北の路地一本一本に食欲をそそられる美味しい食堂が散らばっており、角を曲がるごとに本場の台湾の味にめぐり会うでしょう。
不夜城の台北で街の灯に酔いしれる
色彩豊かなネオンと灯火で夜通し明るい夜市、ロマンチックで情熱的な音楽、空を明るく照らす台北101、そして夜空にこだまする台北アリーナ、台北の夜は飾らずに真実の一面を表現しています。若々しく活発で、きらきら輝いています。
夜のツーリングは台北の夜を攻略する最も生粋の方法です。約束を交わした友人と三々五々バイクに乗り、夜風を浴びてエンジンを響かせ、山を登り高所から街を見下ろせば、煌めく街の灯りを一望できるのです。十大夜景のトップである陽明山のほか、写真愛好家の秘密地であり、景色を鑑賞できる剣南山なども訪れて損のない場所です。山の中腹にある展望台からの眺めは絶景で、松山空港や台北101、美麗華観覧車などのランドマークを見渡すことができます。
台湾の歌謡曲を青春時代によく聴いていた人は、台北アリーナへコンサートを見に行くのがおすすめです。ここは音楽の殿堂であり、ほとんどの歌手にとって憧れの舞台です。ピアノ演奏、静かな抒情曲、賑やかな年越しライブなど、音楽による感動的な思い出を作ることができます。
台北は台湾インディ音楽の中心地です。台湾大学付近の公館商圏エリアでは「この壁The Wall」、「河岸留言」、「女巫店」といった三大聖地が生み出され、さらに数多くの人気歌手がここで歌いました。音楽と美味しいお酒が、台北の夜を広くほろ酔くに色づけています。
台北の街歩きで、美を感じる
台北を散歩すると様々なかたちをしたランドマークに思いがけず出会います。華山1914文創園の展示には新旧交錯した重工業の美しさがコンセプトで、装置芸術、設計工房、オリジナル音楽などにより旧酒造工場が再生されています。松山文創園は旧時の煙草工場で、日本初の現代主義建築の風合いが良く残っており、誠品書店、松煙販売所、各種特殊展示、また文創集市がここに集まっています。古跡と芸術が結合される映画館の楽園である光点台北は、映画ファンの聖地となっています。文創は台北の芸術シンボルの一つになったといえるでしょう。
荘厳な雰囲気の国父紀念館は、台北にとって不可欠な文化の中心です。館内には国内外の有名芸術家が創作した作品が展示され、さらに島内最大規模の国家級コンサート会場になっています。金馬奨映画祭の授与式が毎年ここで開催されています。
「家にいなければ、誠品にいるでしょう」。誠品書店に行って本を見ることが台湾人のライフスタイルになっています。明るく広々とした、コーヒーの香りがかすかに立ち込める空間で、静かに行間の世界へ没頭するのが通の楽しみ方とされています。また24時間営業の台北敦南店に行けば、本棚の間でスクリーンに出た俳優や女優がばったり出会うシーンを体験しましょう。
アクセス方法
台北には2つの空港と1つの鉄道のターミナル駅があります。桃園空港は市街地から車で40分ほどの距離にあり、台北で最も重要な国際空港です。観光客のほとんどはここへ到着し、ここから出境します。空港付近には星付き高級ホテルがたくさんあり、ホリデイ・イン ホテルズ桃園(Holiday Inn Express Taoyuan)は空港から車でおよそ15分、市街からは30分の距離にあり、確実に手軽で便利な旅行ができます。松山空港では主に島内線が運行されています。こちらは市内中心部にあって交通は便利で、信義区、中山区まで車でわずか10分の距離にあります。
台北駅は台北エリアで最も重要な交通の要衝です。中正区の西門町商業地区に隣接しており、台鉄(台湾鉄路)、高鉄(高速鉄道)、捷運(地下鉄)三路線併設の駅のため、乗り換えがとても便利です。
誠品で本をお伴に徹夜する、夜市でたらふく食べる、ドラマの俳優を追いかけて街角を巡り歩く…台北には1000種類の遊び方と、1000種類を超える楽しみ方があります。